koa-ra on Nostr: ...
ごま団子さんが書いておられる『源氏物語』の一節、私も議員の世襲の話題が出るとよく思い出す。
夕霧を(光源氏の息子なら普通は四位からのスタートになるが)六位から始めさせたことに不満を抱く祖母大宮に、光源氏が語った言葉の一部。(以下の現代語訳は『源氏物語評釈 第四巻 絵合 乙女 玉上琢彌』より引用)
「(前略)つまらない親に賢い子がぬきんでるという話は、いっこうに聞かないことでございますし、まして代々伝わって悪くなってゆく将来の子孫がはなはだ気がかりですので、きめましたことでございます。
身分の高い家に生まれたものが、官職位階思いのままで、世の栄華におごる癖がついてしまうと、学問などで苦労したりすることは、必要ないという感じを持つようです。
遊びごとや音楽を好み、思いのままの官職にすわり位に上ると、時勢に従う世間は、かげでばかにしながらも、うわべはへつらい機嫌をとってついてくる間は、いつか一人前に感じられて、堂々としているようですけれども、時勢が変わり、力と頼む人にさきだたれて、勢力が衰える晩年になると、人に軽蔑されて、たよるところがないことになるのでございます。(後略)」
夕霧を(光源氏の息子なら普通は四位からのスタートになるが)六位から始めさせたことに不満を抱く祖母大宮に、光源氏が語った言葉の一部。(以下の現代語訳は『源氏物語評釈 第四巻 絵合 乙女 玉上琢彌』より引用)
「(前略)つまらない親に賢い子がぬきんでるという話は、いっこうに聞かないことでございますし、まして代々伝わって悪くなってゆく将来の子孫がはなはだ気がかりですので、きめましたことでございます。
身分の高い家に生まれたものが、官職位階思いのままで、世の栄華におごる癖がついてしまうと、学問などで苦労したりすることは、必要ないという感じを持つようです。
遊びごとや音楽を好み、思いのままの官職にすわり位に上ると、時勢に従う世間は、かげでばかにしながらも、うわべはへつらい機嫌をとってついてくる間は、いつか一人前に感じられて、堂々としているようですけれども、時勢が変わり、力と頼む人にさきだたれて、勢力が衰える晩年になると、人に軽蔑されて、たよるところがないことになるのでございます。(後略)」