三宅 芳夫 on Nostr: ...
F.ボルケナウ『封建的世界像から市民的世界像へ』。1934年、フランクフルト社会研究所から出版された(序文M.ホルクハイマー)。
丸山眞男『日本政治思想史研究』に収められた第一論文(1940)及び第二論文「近世日本思想における自然と作為」(1941)は、このボルケナウのシェーマを下敷きに、ヘーゲル的叙述によって組み立てられたもの。
丸山自身は1929年に出版されたK.マンハイムの『イデオロギーとユートピア』の決定的な影響を強調する。確かに、未だに、イデオロギー論としてはマンハイムのこの著作を超えるものは出ていない、と言ってもいい。
しかし、ボルケナウの著作も現在再読すると、単なる「封建」ではなく「近世」思想への着眼的の独創性には驚嘆する。マキャヴェリ、ボダン、アルトジウス、グロティウスを扱った第三章「自然法と社会契約」、またリプシウスとモンテーニュ、リベルタン、ジェズイット、ジャンセニズムを分析した第四章など。とりわけリプシウスと新ストア主義の関係の重要性を指摘した箇所などは「先駆的」以上。
この時点ではディルタイが言及している程度で、WWII後G.エストライヒによって新ストア主義の重要性は再定位された。
晩年までストア主義に拘るフーコーは、エストライヒを読んでいたのか?
丸山眞男『日本政治思想史研究』に収められた第一論文(1940)及び第二論文「近世日本思想における自然と作為」(1941)は、このボルケナウのシェーマを下敷きに、ヘーゲル的叙述によって組み立てられたもの。
丸山自身は1929年に出版されたK.マンハイムの『イデオロギーとユートピア』の決定的な影響を強調する。確かに、未だに、イデオロギー論としてはマンハイムのこの著作を超えるものは出ていない、と言ってもいい。
しかし、ボルケナウの著作も現在再読すると、単なる「封建」ではなく「近世」思想への着眼的の独創性には驚嘆する。マキャヴェリ、ボダン、アルトジウス、グロティウスを扱った第三章「自然法と社会契約」、またリプシウスとモンテーニュ、リベルタン、ジェズイット、ジャンセニズムを分析した第四章など。とりわけリプシウスと新ストア主義の関係の重要性を指摘した箇所などは「先駆的」以上。
この時点ではディルタイが言及している程度で、WWII後G.エストライヒによって新ストア主義の重要性は再定位された。
晩年までストア主義に拘るフーコーは、エストライヒを読んでいたのか?
