What is Nostr?
結城浩 / Hiroshi Yuki /
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2025-01-08 19:11:27

結城浩 / Hiroshi Yuki on Nostr: ...

読者に向けて語る物語があるように、読者が自分で取り込むときの物語があります。

物語を書く人は、自分が見ている物語を読者の心に再現するように言葉にして語ります。そこには物語の良し悪しや、長さの違い、それから語り方の上手い下手があります。それに対して、たとえば心理学者に対して被験者が、あるいは患者が夢を語るときには、その上手い下手というよりも、そこに誰が出てきて、どのようなことが起こったかという点や、どんな気持ちになったかというものが重視されます。表現の良し悪しというのはあまり重要視されません。

ここで注目したいのは、世の中の出来事や自分が見た事実や現象を自分の中に取り入れるときにも、物語が必要ではないかということです。体験の物語と言ってもいいでしょう。それがあると、記憶に残りやすいだけでなく、そこには事実の羅列としての現象ではなく、意味付けがなされたり、解釈がなされたり、問題提起や問題発見がなされたりすることになります。

それは夢と同じで、表現の良し悪しによって記憶に残ることはあるかもしれませんが、表現の良し悪しではなく、もっと大づかみにこの出来事を自分はどのように受け止めるかということを問うているのです。それを意識することで、物事を耐えやすくしたり、辛いところを乗り越える力となる可能性があります。もちろん逆に悪い物語もあり得ますけれど。

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