三宅　芳夫 on Nostr: ...

　 フジテレビ、昨年4月の審議会で「人権意識が強くなりすぎると番組がつまらなくなる」と主張していたらしいが、「人権意識」に基づいて「笑い」をとるのが芸人の技。

　「弱者」に対する「タブー」をマジョリティの側から「侵犯」してみてみせ、その場の「空気」でせせら笑う雰囲気をつくるのは、下品な素人でも簡単にできる。

　この反「人権」の芸能スタイル、東京・関西のTVに共通したものだが、フジテレビはそれに加えて自社のアナウンサーの人権も蹂躙していたのだから、「滅茶苦茶」である。

　いずれにせよ、1980年代から始まったメディアの「弱者へのタブー」破り＝「イジメ」・「アテコスリ」がじわじわと浸透し、小泉純一郎あたりから、一気に「政治のエンタメ化」へとフュージョンしたと言えるだろう。

　これに対し、「笑いは弱者ではなく、権力者を対象にしなければならない」という伝統がまだ生きている沖縄芸能の優位性が明確なのは当然である。

　そもそも「ファルス」＝「笑劇」及び「喜劇」というジャンルは古典古代（ギリシア・ローマ）、とりわけローマで、権力者を牽制するために発達したジャンル。

　ローマでは凱旋将軍の列の後のすぐ後ろに、彼を笑いものにする一団が練り歩くのを規則としていた。つまり英雄が独裁者になるのを防止するためである。