jam on Nostr: ...

坂上香『プリズン・サークル』読了。実にいい本でした。島根あさひ社会復帰促進センターという官民混合運営型の刑務所で行われた受刑者同士のグループワークの試みに密着した取材の内容。「犯罪者」とくくられる人たちも私と変わらない「普通」の人であり、私が「そちら側」に行かなかったのは運がよかったからなのだと思った。
受刑者の多くは幼少時の虐待、いじめ、差別などのサバイバーであり、暴力の連鎖が起きている。
「エモーショナル・リテラシー」と言われる、「感情の筋肉」を鍛えること、感情を感じること、そして表現することが回復の大事な一歩になるということが印象に残った。
もちろん受刑者は被害者のいる事件の加害者であることも多いので、簡単ではないが、ただ厳罰を与えて形だけの「反省」を強いる今の刑務所のあり方は被害者のためにもなっていないのではないかと疑問に思う。また入管施設での弾圧のことも思い出した。
「島根あさひ」での取り組みが広がってほしいと思う。