ミドリスキー on Nostr: 『ムガル帝国とアクバル大帝』読了。 ...
『ムガル帝国とアクバル大帝』読了。
アクバルとその前後の皇帝や周辺の人物についてわかりやすく書かれた良書だった。宮廷内部のことに限らず、当時の農民たちがどのような悲惨な状況にあったかも忘れずに触れられている。アクバル大帝はよくイスラムとヒンドゥーを融和しようとしたと評価されているが、本書ではラージプートとの軍事同盟のために戦略的になされた配慮だろうと指摘している。第5章の「ムガルの社会」はほとんどがベルニエの引用で、サティーの悪習を止められていないことや、うさんくさいサドゥについての非難めいた報告が続く。イスラム社会はほぼ宮廷の中だけで、ムガルの支配というのは結局一方的な収奪をするだけで、町や農村はヒンドゥーの別世界であったようだ。
何が面白いかというと、結構詳しい記録が残っていて、500年前の人々が何を考えてどう思ったのかが手に取るようにわかってロマンがあるのだ。誰々は誰々が嫌いだったとか、ドラ息子が謝罪してきたのを父王が寛容に受け入れたように見せかけて油断させて平手打ち喰らわせたとか。やはり文字で記録を残すのは重要だ。
アクバルとその前後の皇帝や周辺の人物についてわかりやすく書かれた良書だった。宮廷内部のことに限らず、当時の農民たちがどのような悲惨な状況にあったかも忘れずに触れられている。アクバル大帝はよくイスラムとヒンドゥーを融和しようとしたと評価されているが、本書ではラージプートとの軍事同盟のために戦略的になされた配慮だろうと指摘している。第5章の「ムガルの社会」はほとんどがベルニエの引用で、サティーの悪習を止められていないことや、うさんくさいサドゥについての非難めいた報告が続く。イスラム社会はほぼ宮廷の中だけで、ムガルの支配というのは結局一方的な収奪をするだけで、町や農村はヒンドゥーの別世界であったようだ。
何が面白いかというと、結構詳しい記録が残っていて、500年前の人々が何を考えてどう思ったのかが手に取るようにわかってロマンがあるのだ。誰々は誰々が嫌いだったとか、ドラ息子が謝罪してきたのを父王が寛容に受け入れたように見せかけて油断させて平手打ち喰らわせたとか。やはり文字で記録を残すのは重要だ。